狂犬

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強いんだが、あんたの方がすげぇや。名は何っていうんだい。」 「拙者、栢山葉水と申す。して貴殿は?」 「…ああ…士学館 糸井源十朗。」 糸井は刀に手をかけた。 両者は間に入った。 刀を抜けば、相手に致命傷を与えられ死が訪れる位置に…。 (強い…この男) 葉水は背中から流れる汗が止まらない。 源十朗と対峙し自分の体に何か黒い物が纏わり付いてきた。感じた。 相手の気であった。気持ち悪くなってきたが油断すればすぐに自分の体が斬り割れる。 葉水は、覚悟を決め腰より白樫の杖をつかみ、青眼の構えをした。
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