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剣の道を志す者にとって三つの何処かに入門することは栄誉である。
響く竹刀や木刀の音。
気迫のこもった掛け声がやまず、門の前から熱い空気や想いが渦巻いていた。
(俺もこんな時があった。江戸にこなければ今でも修業に励んでいただろう…) 昔の記憶を辿りながら声を大にして
「ごめん。どなたかお頼み申す。」
沈黙。
暫くすると色白で小柄な女性が現れた。
「はい。何か御用でしょうか?」
「拙者、栢山葉水と申します。」
「ああ、三葉屋さんからお伺いして存じております。」
女性はにこやかに微笑んだ。
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