邂逅

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因みに三葉屋とは口入れ屋のことである。 「私、桶町道場千葉定吉の娘のさなこと申します。」 千葉定吉は千葉周作の弟である。 さなこは、深々と頭を下げ礼をし、 「ここで話しもなんですので。さあ奥の方へどうぞ。」 さなこは葉水を案内し座敷に招き入れた。 暫く待っているとお茶が運ばれてきた。 「お待たせ致しました。 どうぞお召し上がり下さい。」 「いえ、千葉様お構いなく。」 「いやだわ栢山様。さなこで結構ですわ。堅くならないでくださいな。」 さなこは笑いながら葉水に答えた。
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