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「あいつの潔癖症、どうにか治んないもんかねぇ~…。」
「無理だろうね。」
柊が素早く答えた。
そう。
あいつの問題とは、
《極度の潔癖症》ということだ。
普段は手袋を付けて生活し、出来る限り人のものには触れない。
さっきは手袋と服の隙間から見えていた手首と机が接してしまったみたいだ。
本人に全く悪気はない。
ただ、あいつと俺らのものの見方が違うだけだ。
走り去るヒロを見ていて、柊の力が緩んだ。
俺はその一瞬の隙を見逃さなかった。
「あっ!!」
気づいたときには、すでに俺は柊から10メートルくらい離れていた。
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