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―――ある日の昼休み
教室はいつものように鬼ごっこをするやつらの慌ただしい足音や、女子のうるさい話し声が響いていた。
俺は眠くて眠くて仕方なかった。
マジねみー…。絶対、昨日の夜、徹夜でゲームしたからだな…。
そんなことを考えながら、周りの騒がしさももろともせず、自分の机に覆い被さるようにして、爆睡してた。
そんな中、ヒロが近づいてきて、俺を揺り起こす。
「ふぁ~~……。何?」
俺は大きなあくびを一つして、不機嫌なオーラをビンビンに発した。
「なぁ、タク。今日、一緒に帰んねぇ?」
ヒロからの突然の誘いに俺は戸惑った。
なぜなら、ヒロはいつも坂口と一緒に帰ってるからだ。
「お前、坂口を送んなくていいのか?」
ヒロと帰るのがイヤだったわけではなく、純粋にそのことが気になった。
「今日は……なんか、一緒に帰れねぇらしい。」
(もう!!!ヒロ君、演技下手くそすぎ!)
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