【始まり】

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タクが2度目の爆睡体制に入ってるとき、ヒロは廊下で説教をくらっていた。 ―――数分前。 パニック状態を抜け出したヒロは教室を飛び出した勢いのまま、美奈と知恵の横を素通りしようとした。 「ちょ~っと、ヒロ?用があるんですけど、」 首を回し、後ろを見てみると、すでに服を掴まれ、逃げられなくなっていた。 「何かご用ですか…?」 この体勢からは柊の顔は見えないが、怒りのオーラが背中にヒシヒシと伝わってくる。 「何に対して怒ってるか、わかるよね?」 そう言いながら、服をつかんでいた手をパッと離し、頭を鷲掴みにして、無理やり柊の方を向かさせられた。 そこには、口元がひきつっている鬼がいた。 俺は このままじゃ、絶対に食われる と思った。
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