崩壊ステレオ

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「頑張ってね!」 友だちからそう言われると、やっぱり嬉しい。 「うん、頑張る」 私は笑顔で返事をする。 私は次の音楽の時間でピアノを弾くことになっている。 いくらピアノを習っているからって、やっぱり弾けるまでは大変だった。 でも、大丈夫そう。 私がそう思うのには理由があった。それは来月に控えた合唱コンクールの伴奏になったから。 いや、正確に言うとまだ決まっていない。 伴奏者になるには、短い期間でどれだけ上達したかによる。 それにもう一人候補者がいる。その子自体は弾くつもりはないらしいけれど、先生の推薦で。 でも、これならきっと。 授業の始まりのチャイムが鳴って先生が来ればすぐにピアノを弾くことになっている。 先生、早く。 そう思っていると、チャイムが鳴り先生が来た。 「おー、じゃ、挨拶」 音楽の先生にしては珍しい男の人。しかも若くて、歳も私たちとあまり離れていない。 でも、凄く良い先生。 私はそんな事を考えながら挨拶をする。 「よしっ、じゃあ早速弾いてみるか?」 そう言うと先生は私を見ながら手招きをした。 頑張れ、私。 そう自分に言い聞かせて私はピアノに向かう。 楽譜を持っている手が汗ばんでいる。 .
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