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2007年4月14日
私立汐留(シオドメ)高校入学式当日、西條令(サイジョウレイ)は通学路を走っていた
令は、長いわけでも短いわけでもない黒髪、身長は168cm、顔は優しそうな顔立ちをしていた
「ヤバい、入学式遅刻は有り得ないだろ」
現在時計は8:00を示していた、入学式は8:30から始まる
学校までは約1.5km、走ってもギリギリか、アウトである
「くそっ、とばすか」
令がスピードを上げた瞬間、差し掛かったT字路から少女が出てきた
「っだぁ!止まれねぇ!」
その声に少女は振り向いた
「キャァ!」
令は勢いを殺しきれずに少女と激突した
「ってて、あ、ごめんなさい!大丈夫ですか?」
「いたた、はい、何とか」
少女は汐留高校の制服を着ていた
「君も、汐留高校の生徒?」
少女は令を見て
「はい、あ、あなたも何ですか?」
「うん、僕は西條令、君は?」
「私は吉原柚木(ヨシハラユズキ)、これから入学式に行くんでしょ?」
柚木と名乗った少女は、セミロングの少し茶色がかった、しかし染めたわけではない髪、ぱっちりとした目、顔全体は整っていて可愛らしいと言えた
「うん、そうだよ
って、ヤバい!遅刻する!君も急いだ方が良いよ!」
柚木はきょとんとした
「何で?まだ入学式まで一時間はあるよ」
「何言ってんの?今もう8:00過ぎて」
令は時計を見た
確かに8:00だった、先程から微動だにせず
「...時計止まってる」
柚木は思わず吹き出した
「今まだ7:20だよ」
柚木は笑いながら言った
「何だよ、無駄に走った」
令は体から力が抜けた
「ふふっ、じゃあ先に行ってるよ、またね令君」
そう言って柚木は去っていった
「はぁ、僕も行こう」
令は力の入らない足で歩いていった
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