始まりの出会い

2/9
前へ
/11ページ
次へ
2007年4月14日 私立汐留(シオドメ)高校入学式当日、西條令(サイジョウレイ)は通学路を走っていた 令は、長いわけでも短いわけでもない黒髪、身長は168cm、顔は優しそうな顔立ちをしていた 「ヤバい、入学式遅刻は有り得ないだろ」 現在時計は8:00を示していた、入学式は8:30から始まる 学校までは約1.5km、走ってもギリギリか、アウトである 「くそっ、とばすか」 令がスピードを上げた瞬間、差し掛かったT字路から少女が出てきた 「っだぁ!止まれねぇ!」 その声に少女は振り向いた 「キャァ!」 令は勢いを殺しきれずに少女と激突した 「ってて、あ、ごめんなさい!大丈夫ですか?」 「いたた、はい、何とか」 少女は汐留高校の制服を着ていた 「君も、汐留高校の生徒?」 少女は令を見て 「はい、あ、あなたも何ですか?」 「うん、僕は西條令、君は?」 「私は吉原柚木(ヨシハラユズキ)、これから入学式に行くんでしょ?」 柚木と名乗った少女は、セミロングの少し茶色がかった、しかし染めたわけではない髪、ぱっちりとした目、顔全体は整っていて可愛らしいと言えた 「うん、そうだよ って、ヤバい!遅刻する!君も急いだ方が良いよ!」 柚木はきょとんとした 「何で?まだ入学式まで一時間はあるよ」 「何言ってんの?今もう8:00過ぎて」 令は時計を見た 確かに8:00だった、先程から微動だにせず 「...時計止まってる」 柚木は思わず吹き出した 「今まだ7:20だよ」 柚木は笑いながら言った 「何だよ、無駄に走った」 令は体から力が抜けた 「ふふっ、じゃあ先に行ってるよ、またね令君」 そう言って柚木は去っていった 「はぁ、僕も行こう」 令は力の入らない足で歩いていった
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加