始まりの出会い

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入学式が終わり教室に戻ってきた 「校長の話長すぎるよな」 「ホントだよね」 「もう長すぎて何を言いたいのかさっぱりだよ」 三人は令の机の周りに集まって雑談を交わしていた 「そういえば、柚木はどこの中学から来たの?」 「私は北中だよ、姫っち達は?」 「姫っち?」 姫百合は何だと言うような顔をした 「姫百合のあだ名だよ。姫百合だから姫っち」 柚木は嬉しそうに話した それを聞いて姫百合は溜め息をついた 「うわ、単純 ま、いいけどね」 そう言って肩をすくめた 「やった!で、どこの中学から来たの?」 柚木は喜び、改めてきいた 「あぁ、北東中だよ」 「北東中ってあの北東中?頭がいい人ばっかり集まってるって噂の」 「言うほどじゃないよ」 姫百合は照れながら否定したが、実際柚木の言う通り姫百合も令も頭はかなりいい方だ 「令君も北東だったんだよね?」 「あぁ、そうだよ」 「じゃあ何でここ選んだの?」 汐留高校は別段有名な高校ではない。令や姫百合の成績ならもっと上のレベルの高校を狙えたのだ 令は少し考える素振りを見せて 「家から一番近い高校がここだったんだよ」 「あ、それ私も」 姫百合も令の意見に同意した 「いいなぁ、そんな理由で高校選べて 私絶対ギリギリだったよ」 柚木は尊敬の眼差しで二人を見た 「そんな事無いよ」 「そうそう、柚木も結果汐留来れたんだからよかったじゃん」 二人は笑顔で柚木に言った 「んー、なんか嫌味にしか聞こえないんだけど?」 柚木は目を細めて二人を見た 「そ、そんな事無いよ」 「そ、そうそう あ、ほら。先生来たぞ。席に戻ったら?」 二人は引きつった笑顔で、令は二人を席に戻るよううながした 「あー、ごまかした まぁいいや、じゃあまた後でね 行こっ、姫っち」 「うん、じゃあまた後でね」 令は無理矢理話を終わらせて二人を送った 「はーい、席座って」 担任が入ってきたのでクラスにいた全員が席に着いた
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