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言葉と令は教室に戻り誰もいない教室で帰り支度をしていた
「言葉の家ってここから近いの?」
「いえ、隣町です。令君の家はどうなんですか?」
「僕?僕は近いと思うよ。町内だし」
「そうなんですか?」
「うん」
二人はたわいもない会話を交わしながら教室を出た
帰路につき、汐留駅前まで来た
「じゃあ私はここで」
「うん、じゃあまた明日」
「はい...あの...」
言葉は少し不安そうな目で令を見た
「ん?どうしたの?」
「令君は、私を本当に友達だと思ってくれてますか?」
「え、うん、当たり前だよ。でもなんで?」
言葉は少しは安心したのか表情をゆるませて、しかし顔は俯いたまま
「私、今まで男の子からはいやらしい目でしか見られてこなかったから」
令は言葉の言葉に共感した
言葉は確かに高校一年のわりには膨らみのある体をしていた
それをさとって令は優しく
「大丈夫だよ、僕はそんな風には見ない。言葉は僕の大切な友達だからね」
令は笑顔で言った
それを見て言葉は胸の奥が、顔が、全身が熱くなった
言葉は顔を赤く染め
「はい、ありがとうございます」
令はうなずき
「じゃあ僕は帰るよ。また明日」
「はい、あの」
少し恥ずかしそうに言葉は言った
「ん、なに?」
「あの、明日、学校一緒に行きませんか?」
令はぽかんと、してしまった
そして笑顔で
「明日、7:00にここでいいかな?」
令の言葉を聞いて言葉はぱあっと明るい笑顔を見せて
「はい!ありがとうございます」
「うん、じゃあね、また明日」
「はい、また明日」
会話を交わし、令は歩き始めた
その後ろ姿を見て
「令君...」
なぜか言葉はつぶやいていた
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