say.1

3/5
前へ
/129ページ
次へ
「初恋もまだのくせに」 「言わないで!あたしだって高3にもなってまだなんて認めたくないんだから!」 慰めようともしてくれない胡桃と、裏庭からそのまま正門へ。 「バカだバカだと思ってたけど…ここまでとは…」 「バカバカ言わないで!」 「じゃあ、浅水くんに告った理由は?」 「あのクールの皮剥がしてやる!」 ぐっと握り拳に力を入れるあたしに対して、胡桃はまた深すぎるため息。 「バカにつける薬はない」 「そこまで言うかぁ!くぅちゃんのバカぁ!」 泣いてちょっと走るけど、胡桃の歩調は変わらず。 ハッ! 胡桃は基本無関心だった!! 「クールなのは別にいいでしょう」 「いや、なんかムカつくんだもん。あたしのこと好きって言わせて、ほんで~」 「そっから先は考えてないんでしょ」 …ぐっ…図星… 「だって、あのクールさ、なんかムカつくんだよ。クールすぎて、同い年とは思えない」 「高3にもなれば、そういう人だっているわよ」 「あ、そうだ。好きって言ってきたらフッちゃえ」 「そう上手くいくかしら」 ため息混じりの言葉は聞こえてなかった。 だって… 「れっんげ~!」 後ろからガバァっと抱きついてきやがるヤツは──!
/129ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1523人が本棚に入れています
本棚に追加