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「初恋もまだのくせに」
「言わないで!あたしだって高3にもなってまだなんて認めたくないんだから!」
慰めようともしてくれない胡桃と、裏庭からそのまま正門へ。
「バカだバカだと思ってたけど…ここまでとは…」
「バカバカ言わないで!」
「じゃあ、浅水くんに告った理由は?」
「あのクールの皮剥がしてやる!」
ぐっと握り拳に力を入れるあたしに対して、胡桃はまた深すぎるため息。
「バカにつける薬はない」
「そこまで言うかぁ!くぅちゃんのバカぁ!」
泣いてちょっと走るけど、胡桃の歩調は変わらず。
ハッ!
胡桃は基本無関心だった!!
「クールなのは別にいいでしょう」
「いや、なんかムカつくんだもん。あたしのこと好きって言わせて、ほんで~」
「そっから先は考えてないんでしょ」
…ぐっ…図星…
「だって、あのクールさ、なんかムカつくんだよ。クールすぎて、同い年とは思えない」
「高3にもなれば、そういう人だっているわよ」
「あ、そうだ。好きって言ってきたらフッちゃえ」
「そう上手くいくかしら」
ため息混じりの言葉は聞こえてなかった。
だって…
「れっんげ~!」
後ろからガバァっと抱きついてきやがるヤツは──!
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