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「顔色悪い」
はい?
あたし今そんな話してた?
「蓮華、ホントに顔色悪いわ、保健室行く?」
「そんなに?」
「ホラ、行こ」
手を引かれて立つと、目の前が暗転…
足の力が抜けて、ペタンッと座り込んでしまった。
立てないなんて…
こんなになったのは…昨日思い出したからかもしれない。
だから、余計に…
「俺が連れて行くわ」
「へ!?え!?颯希く!?」
お姫様抱っこー!
い、嫌!みんなに見られてる!
「一食一飯の恩義」
一食一飯ってなんですかぁ!?
それを言うなら一宿一飯!
周りの目も気にせず、颯希くんはさっさと教室を出て行く。
あ……でも……
なんだろう……
なんか……安心する……
ゆらゆら揺れる心地よさが、少し夢の中へと誘う。
「蓮華ちゃん!」
誘われそうになってたのに!
引き戻された。
「…お姉ちゃん、うるさい」
この学校の保健医は、あたしの10コ上の姉・撫子。
「早く!ベッドに寝かせて!」
あたしと同じ黒いストレートの髪を肩まで伸ばし、青い縁の眼鏡をかけて知的に見えるんだけど…
「熱!熱!?」
…ちょっとパニック体質?
イヤ、ウチの家族、あたし以外みんなプチパニック体質だ。
「熱はない」
下ろしてもらって横になると、再び睡魔が襲ってくる。
「そうもいかないわ、ハイ、測って」
渡された体温計を渋々脇の下へ。
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