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「妹がお世話になったわね、ありがとう」
カーテンの向こうから聞こえる声。
誰かいてくれることに安心する……
「胡桃ちゃんもありがとう」
「あたしは驚いてただけです」
「あ~、そうね。驚いたわ、蓮華が男の子に抱かれて来るなんて」
……そういえば、あたし……
颯希くんに触られても平気だった。
「浅水くんにだけは、心を許してるみたいね」
「え?男恐怖症?」
「ん~、まぁ、似たようなもの?」
お姉ちゃん、その曖昧な答え方はいったい…
「ふ~ん。俺はこれで」
「颯希くん!」
「何?」
カーテンを開け顔だけ覗かせる颯希くん。
「ありがとう、連れて来てくれて」
「…ん~、お大事に」
手をヒラッと振ってるのがぼやけて見える。
体温計が鳴ったことも、チャイムが鳴ったこともわからないほど、あたしはすぐに眠りについていた。
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