say.4

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「やっと目が覚めた?」 「……お姉ちゃん……?」 保健室は紅い夕日が射し込んで…… って!今何時!? 授業は!? 「もう放課後よ、送るから鞄持って来なさい」 「…ハ~イ」 約3時間寝てたってこと? お姉ちゃんはもう結婚していて、今は旦那様と2人暮らし。 よく出来て優しい旦那様。 お姉ちゃん曰く、大恋愛なんだって。 あたしにはよくわかんない。 恋愛とか言われても、ピンとこないし。 教室のドアを開けて入ると── ──衝撃が走った。 あたしの机の側には……颯希くんがいて…… でも、他には誰もいない…… 雨が上がったあとの夕焼けは綺麗で、そのせいか…… そこにある全てのものが……特別に……見えた…… 「さ……つきくん……」 気のせいか、上手く喋れない。 「やっと起きたか」 「なんでいる、の……?」 「昼飯のお礼、まだ言ってなかったから。ごちそうさま、美味かったよ、ありがとう」 フッと笑うその笑顔に、また衝撃を感じて…… え?何?あたし、どうしたの? 何……?この気持ち……
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