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「やっと目が覚めた?」
「……お姉ちゃん……?」
保健室は紅い夕日が射し込んで……
って!今何時!?
授業は!?
「もう放課後よ、送るから鞄持って来なさい」
「…ハ~イ」
約3時間寝てたってこと?
お姉ちゃんはもう結婚していて、今は旦那様と2人暮らし。
よく出来て優しい旦那様。
お姉ちゃん曰く、大恋愛なんだって。
あたしにはよくわかんない。
恋愛とか言われても、ピンとこないし。
教室のドアを開けて入ると──
──衝撃が走った。
あたしの机の側には……颯希くんがいて……
でも、他には誰もいない……
雨が上がったあとの夕焼けは綺麗で、そのせいか……
そこにある全てのものが……特別に……見えた……
「さ……つきくん……」
気のせいか、上手く喋れない。
「やっと起きたか」
「なんでいる、の……?」
「昼飯のお礼、まだ言ってなかったから。ごちそうさま、美味かったよ、ありがとう」
フッと笑うその笑顔に、また衝撃を感じて……
え?何?あたし、どうしたの?
何……?この気持ち……
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