say.1

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「あのね、好きなの」 「は?君、誰?」 くぁっ!ムカつく!何そのクールさ! 普通、ちょっとくらい動揺しない!? こっちが告ってるっていうのに! ていうか… 「一応、同じクラスなんだけど」 「へぇ、そうなんだ」 「浅水颯希!こっちは告ってんのー!ちょっとは何か反応しなさいよ~!」 ──…やっちゃったぁ! あたしの…高校生活2年と2ヶ月で築き上げた、名前に恥じぬ可憐な少女がぁ… と言ってもただ大人しいだけだけど…… 「ふぅん、それが素?じゃ、またね」 「浅水颯希!ぜったい好きって言わせてやる~!!」 放課後の裏庭に、空しく響き渡ったあたしの声… まぁ、聞こえてるでしょう。 「ねぇ、蓮華、楽しい?」 あたし、駿河蓮華は声のした方に振り向いた。 「くぅちゃん!聞いてたでしょ!?あいつ、ムカつくー!」 くぅちゃん…あたしの唯一無二の親友・知花胡桃。 深い…深すぎるため息がちょっぴり腹立ちます。 「だってねぇ、あんたの告白…愛が籠ってないわ。もっとこう、感情を込めて、ね?」 「え~?感情籠ってなかった?ってか、告白なんて初めてだし、感情とか言われてもわからん!」 そう、人生初の告白… 「そりゃ、好きでもない相手だからよ」 好きでもないヤツに好きっていうあたしって、やっぱバカ?
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