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「あのね、好きなの」
「は?君、誰?」
くぁっ!ムカつく!何そのクールさ!
普通、ちょっとくらい動揺しない!?
こっちが告ってるっていうのに!
ていうか…
「一応、同じクラスなんだけど」
「へぇ、そうなんだ」
「浅水颯希!こっちは告ってんのー!ちょっとは何か反応しなさいよ~!」
──…やっちゃったぁ!
あたしの…高校生活2年と2ヶ月で築き上げた、名前に恥じぬ可憐な少女がぁ…
と言ってもただ大人しいだけだけど……
「ふぅん、それが素?じゃ、またね」
「浅水颯希!ぜったい好きって言わせてやる~!!」
放課後の裏庭に、空しく響き渡ったあたしの声…
まぁ、聞こえてるでしょう。
「ねぇ、蓮華、楽しい?」
あたし、駿河蓮華は声のした方に振り向いた。
「くぅちゃん!聞いてたでしょ!?あいつ、ムカつくー!」
くぅちゃん…あたしの唯一無二の親友・知花胡桃。
深い…深すぎるため息がちょっぴり腹立ちます。
「だってねぇ、あんたの告白…愛が籠ってないわ。もっとこう、感情を込めて、ね?」
「え~?感情籠ってなかった?ってか、告白なんて初めてだし、感情とか言われてもわからん!」
そう、人生初の告白…
「そりゃ、好きでもない相手だからよ」
好きでもないヤツに好きっていうあたしって、やっぱバカ?
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