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「蓮華ー!」
例えるならばムンクの叫び。
の状態のお母さん。
玄関でずぶ濡れのあたしに対して。
「なんだ!?どどどどうした!蓮華!!」
どもりすぎだよ、お父さん。
「姉ちゃんー!!」
弟よ…後ろからうるさい…
『学校で何かあった!?』
綺麗に3人声合わせて…
「なんにもないから…だから…くっつくなぁ!!」
こっちは濡れてるっつーの!
お風呂行かせて!!
両親…というか、家族全員、あの日からあたしを過保護に扱う。
ただ、この性格のせいでしょっちゅうキレてるけど。
もう高3なんだから、いい迷惑。
さて、これからどうしようかな。
すでにあたしの頭の中は、颯希くんをどう落とすかでいっぱい。
両親プラス弟を払いのけ、お風呂に直行。
やぁ、でも目立つ行動は控えとこう。
朝、一緒に登校?
イヤイヤ、颯希くんの家知らないし。
休み時間は避けて、お昼一緒に食べる?
誘ったら目立つな…
一緒に帰るか?
というか…一緒に帰ってるところを人に見られたくない。
「伸びたなぁ…」
湯船に浸かるため、結ぼうと髪に手を伸ばしてふと気づく。
いつから切ってないだろう。
腰まである長く黒い髪。
もう…3年は切ってないかな?
クルっと束ね、ザバァっと入った。
ムゥ……思い出したくないから……
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