say.2

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「蓮華ー!」 例えるならばムンクの叫び。 の状態のお母さん。 玄関でずぶ濡れのあたしに対して。 「なんだ!?どどどどうした!蓮華!!」 どもりすぎだよ、お父さん。 「姉ちゃんー!!」 弟よ…後ろからうるさい… 『学校で何かあった!?』 綺麗に3人声合わせて… 「なんにもないから…だから…くっつくなぁ!!」 こっちは濡れてるっつーの! お風呂行かせて!! 両親…というか、家族全員、あの日からあたしを過保護に扱う。 ただ、この性格のせいでしょっちゅうキレてるけど。 もう高3なんだから、いい迷惑。 さて、これからどうしようかな。 すでにあたしの頭の中は、颯希くんをどう落とすかでいっぱい。 両親プラス弟を払いのけ、お風呂に直行。 やぁ、でも目立つ行動は控えとこう。 朝、一緒に登校? イヤイヤ、颯希くんの家知らないし。 休み時間は避けて、お昼一緒に食べる? 誘ったら目立つな… 一緒に帰るか? というか…一緒に帰ってるところを人に見られたくない。 「伸びたなぁ…」 湯船に浸かるため、結ぼうと髪に手を伸ばしてふと気づく。 いつから切ってないだろう。 腰まである長く黒い髪。 もう…3年は切ってないかな? クルっと束ね、ザバァっと入った。 ムゥ……思い出したくないから……
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