笑顔の向こう側

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『お前遅刻してきて寝てるんじゃねぇよ』 激しく揺すられ、今度は気持ち良くない目覚め方をした雄奨は不機嫌そうに起こした奴に言った。 『学校きてるだけいいでしょ。つかもっと優しく起こせよ』 雄奨を起こしたのは同じクラスの美浦寛樹である。[みうらひろき] 美浦は雄奨の後ろの席でいつも授業中寝てばかりいる。このやる気の無い一つ上の先輩を雄奨はまぁまぁ尊敬していた。 『しかも美浦も俺が教室来た時寝てたじゃん』 痛い所をつかれた美浦は知らないというそぶりを見せて話しをずらした。 『そうそう雄奨聞いた?明日の金曜日の夜はパーティーだってよ』 『パーティーってなんだよ』 雄奨はやる気ない声でそっけなく答えた。 『いやぁ……俺は行かないんだけどね……』 美浦はそういうとイヤな笑みを浮かべ雄奨の耳元で囁いた。 『誘われたけど行きたくないから代わりに雄奨が行くって言っといた』 雄奨はため息をつきそして美浦を思いきりどついた。
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