笑顔の向こう側

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『行きたくないなら行かないって自分で断ってね』 とはよく言えたもんだ。 断るのが面倒なメンツってのを知ってて無責任な事いいやがって。 そんな事を考えながら雄奨は自分の部屋へ帰るいつもの道を歩いていた。 <行きたくない。面倒くせぇ> そんな事ばかり考えてテンションが下がりきった頃携帯が振動しはじめた。 『あいよ。どうした?』 『私メリー今貴方の後ろにいるの』 ここで振り向く程雄奨は馬鹿ではない。 こんな電話をかけてくる馬鹿は一人しかいない。 雄奨の小学校からの友達、蛯名卓志である。[えびなたくし] 雄奨が中学くらいから自然につるむようになった悪友の一人で、むしろ彼はその代表選手だ。 『メリーさんどうしたの?』 雄奨はわりと冷めた声で話しを続けた。 『あらなんかノリ悪いね。なんかあったなぁ。よし暇だから今日遊び行くかな』 勝手に話を進める卓志をほっとき雄奨は突然良い考えが思いついた。 『あぁじゃあ今日よる7時くらいな』 そう言って雄奨は電話を切った。
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