錆色の旅人

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錆色の旅人 「風の愛撫に すべてをまかせて 快楽を得るのは罪?」 傷だらけの腕をした 彼女の言葉に 胸がしめつけられる 「空の青さに 愛されている」 と言う彼女 生まれる前から 探している 答えは 遥か遠く ただひとつ 聖なるリストに 名前を並べる 人々の眠りは浅く 夢から覚めてもそこには広がる 楽園 真実のメロディーは行くへ知れず 幻想の毒は 瓶詰めのまま すべての物を洗う雨に 傘を持たない僕はただ打たれる ゆっくりと歩き出しながら   錆色の旅人になり 地平線のかなたの光に 取り込まれたいと 強く願う
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