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やがて授業が始まり、五時間目、六時間目なんてすぐに終わり、阿修羅が如しを思わせる放課後がついに来てしまったのだった。
帰宅部の人々はさっさと帰る用意をし始める。
瑠歌「ヨォーシ!やっと自由の時間がやってきたぜ!さあて、あたし達もぼちぼち帰ろうか、なぁ美奈!!」
美奈「え?!…ってことは、自動的に私もCDショップに…。」
瑠歌「ああ、付き合えって!いいだろぅ?」
瑠歌が美奈の肩に腕を回し、スキンシップをはかりながら言う。
美奈「まぁ、いいけど。…どうせいつも一緒に帰るし。」
瑠歌「やっぱ美奈は付き合いがいいねー!今日は転校生の友達も一人増えたし!いいこと尽くしだな!!」
美奈「あ、合川くんも誘おうかな?いい?瑠歌?」
瑠歌「え?あぁ、構わないよぉ。」
美奈と瑠歌は廊下へと出る。
いいタイミングで薫と虚路も出てきた。
薫「よし!じゃあ行きますかー!」
美奈「あっ、ちょっと待って…。」
薫「んー?どうしたの宝ちゃん?」
うまい具合に號が出てきた。
美奈「あの、合川くん。」
號「え?何?宝さん?」
美奈「よかったら、今日皆で一緒に帰らない?」
號「え、えーと…。」
薫「…つーか、さっきも見たけど、誰?!」
瑠歌「今日友達になった転校生の合川號だ…まぁ、仲良くしてやってくれー。」
薫「へぇー、転校生ねぇ。まぁ、ぼちぼちやるかー!やぁ転校生の合川號くん!名字長いから號でいいかー!號!よろしくぅ!俺、旭ケ丘薫。」
瑠歌(お前だって長いだろ…。)
號「あ、あぁ、よろしく。旭ケ丘…。」
薫「あ~!!薫でいいって!で、この暗~い奴が蒼山虚路。」
號「よ、よろしく…。」
虚路「ああ。…虚路なんて名前は親が何のつもりで付けたか知らないが、あえて聞かない。」
號「…ははは。(失笑)」
この気まずいムードを断ち切るかの如く女の人の声が聞こえた。
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