出会い、禁断への一歩

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方向転換をし、號の方を見つめる。 夏芽(見ない顔ねぇ、なぜこの子がこの集合体の、しかも美奈の隣にいるのかしら?)   號は、夏芽の放つ美しすぎる閃光に瞳うばわれるけど。 目が合って、思わず目を逸らした。 夏芽「あら、なぜ目を逸らすの?」 そういい號へと歩み寄る。 夏芽「あの男女みたいに私のこと気に入らないの?」 顔を近付けながら言う。 號は赤くなり、鼓動も高まる。 瑠歌「なんだとぅ!」 號「…い、いえ。」 夏芽「あら、赤くなって…照れてるの?なんて可愛らしいのかしら…。」 瑠歌「へっ!今度はしかとかよ。」 固まっていた薫も溶け、反応を示す。 薫「あ、あんなに日向先輩と接近して…!」 夏芽「顔もロリショタ系気味だし…可愛いわね…あなた。」 この時ばかりは號の憎しみも薄れて、青少年の持つときめきに変わる…。   號「う…う。」 夏芽はさらに顔を近付ける。 虚路「ぬおー…。」 さすがに虚路も反応する。 薫「や、やめてくれぇ!」 瑠歌「おい!近づきすぎだ!」 夏芽「あら、あなたもこの子と絡みたいの?」 瑠歌「そ、それは…。」   そこに袴姿の合気道部員らしき少女が歩いてくる。 そして跪(ひざまず)き、言う。 「夏芽お姉さま…ご指導を…。」 瑠歌(お姉さま…?!) 夏芽「あらあら、そうだったわ…道場に向かう途中だったんだわ。…じゃあ、行きましょうか。では、皆さん…またあした。」 夏芽は去ってゆく。   …バン!! 薫が號の背中をたたき、言う。 薫「このヤロー…羨ましいことされやがって!で?!くんのかよ、今日。」 號「い、いや、今日は用事が…。」 薫「なんだ、来ないのか。よし皆、行こうぜ。」 美奈「薫くん、梨砂ちゃんは?」 薫「ホウちゃんも用事があるってさ…。」 美奈「ふーん…じゃ、行こっか!合川くん、また明日ね。」 號「うん。」 皆と別れ、號は出口へと向かう。 すると出口で號は肩を掴まれる。 吉岡「さあ、行こうか!」 號は校舎裏に連れていかれる。 吉岡「今日は随分調子くれてたじゃねぇか。」 そういうと、三人は號に殴る蹴るなどの暴行を加え、去っていった。   號は重い足取りで家路にたたずむ。   ?「フフフ。感じるぞ…膨大な怨み憎しみを、殺戮のエネルギーを!」 と言いながら異形の者が飛行している。 號「何で、何で僕だけがこんな目に!」 ?「小僧…憎いか?」 と、目だけが赤く、全身黒ずくめの、翼を持つ異形の者が話し掛けてきた…。
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