1:出会いと再会と

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 あれから・・・ 俺達は千秋さんと大吾君の案内で山越えを無事に済ませ、さらにそれから一日歩いて・・・無事にワイト城へと到着した。  召還勇者二人を恐れてなのか、その後の魔族の襲来は無く・・・ 途中で出会ったモンスターも雑魚ばかりで……千秋さんが出る幕の無いまま撃退できるレベルだった。  街だとは思えないような立派で、強固な造りの城壁に囲まれた城塞都市、首都リオーズの門をくぐり抜け…… さらにワイト城の城門をくぐり、入城した後・・・ 俺の中に居る女神ファーベラス(の、魂の欠片……普段俺は彼女をファーラと呼んでいる)は・・・ ワイト城内へ入るなり (……これだけ・・・の立派な造りのお城の中に・・・厳重な警備。 召還勇者達もいるなら・・・ごめんなさい、疲れ……ちゃっ……た・・・少し休み・・・・・・) ……という台詞を呟いた後、しばしの眠りについてしまったらしく・・・。 その後、彼女とはコンタクトが取れない状態になってしまっている。  ……おそらく、ここへたどり着くまでの道中、彼女は神経と残りの魔力を使い……ずっと周囲を警戒していたのかもしれないな・・・。 つかの間になるかもしれないけど、いざという時のために・・・今のうちに休んでもらわないとね。  一方、問題視していたフェルディさんの事は、千秋さんが話していた通り、何の問題も無く・・・ 彼女も“勇者様御一行”の一員として、俺達同様にすんなりと受け入れられ、VIP扱いをされている。 ・・・とりあえず彼女に関しては‘魔族だから’という差別はされずに済んでいるようだ。 ……表向きだけかもしれないけど、まあ……今はそれで良いか、な?
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