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「……っと。いけね。
ちゃんと紹介しておかなくっちゃな」
次から次へと登場する新キャラに、どう対処していいものなのか……と困った様子のフェルディさんと、小春に抱きついてきた相手を見て固まってしまった俺と矢川を見た小春が、苦笑いしながら呟いた。
「えっと……この子は俺の後輩で、梅里里美。
こう見えても学年二位の秀才で、なおかつ空手も県大会定席の・・・」
「……全国大会定席だよ~?せんぱい☆」
小春の胸元でゴロゴロと甘える猫のごとく、彼女の胸に埋まったまま里美は軽く訂正を入れた。
「・・・全国大会の常連で・・・ミョーに俺達になついてる変わり種なんだぁあ~~~やぁ~めれ~~ぇ?!」
埋めた胸元の二つの山を、いきなり揉みほぐしだすという攻撃を行った里美に、たまらず小春が奇声を上げる。
「変わり種は大吾君と先輩だよっ!
・・・だいたい、何で元男の子の先輩の方が私より胸が大きいの?!
もしかして私に対するイヤミ??!」
「イヤミとかぢゃなくて・・・だからぁやめれぇ~~~っ!!」
「………なんか、羨ましい……」
仲良く(?)じゃれあう二人を見たフェルディさんがぽつりと呟きながら俺を見る。
「・・・俺は、駄目ですからね?(汗)」
俺は思わず胸元を両腕でガードしながら苦笑いで彼女の要望を却下した。
「……俺達三人は、あの晩、バイクで山頂公園へ出向いて・・・そこで“召還”されたんだ」
仲間二人の様子を見て鼻血を流しながらも、真顔で大吾君が話し出す。
「まさか・・・こんな形で・・・
小春が女の子に変わってしまったなんて現実を目の当たりにするとわっ!!」
なんだかこぶしを握って力説モードに入りそうな勢いのある大吾君を、張り煽でひっぱたいた千秋さんは、こほん☆と軽い咳払いをしてから倒れて伸びたままのオッサンを指さした。
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