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「あ、はじめましてっ☆
瞳お姉さまって、私とおんなじガッコの生徒だったんですねぇ~?
なんか嬉しいなぁ~☆」
話題が自分絡みの内容になったのを聞いていたらしく、小春にじゃれ付くのを止めて素早く立ち上がった里美ちゃんは、そのまま右手を差し出して握手を求めてきた。
「……まぁ、多分、そーゆー事になるんだろーね、やっぱ・・・(苦笑)」
俺の正体の話は聞かされていないのか・・・?
“お姉さま”と呼ばれる立場に苦笑いしながら、俺は自分の微妙な立場を説明するべきかどうかを一瞬悩んだが・・・。
とりあえず説明は後へ回す事にして俺は作り笑いしながらそれに対応して手を握った。
「……っと。
多分、先発隊から少しは話を聞いてるだろうけど仲間の紹介を簡単にしておくよ。
……まずはコイツから」
俺は、俺と里美ちゃんの握手シーンにカメラを向けてぱしゃぱしゃやってるカメラ小僧を指差しながら紹介を始めた。
「コイツは矢川司。滝楼の悪名高いフォーカス部のエースで、カメラマンとしては優秀なんだよな~…」
「悪名高いって・・・(苦笑)スクープを逃さない執念が異常なのは認めるけどねぇ~…」
自分でもちゃあんと理解してるんじゃんか(笑)
「……ああ、名前は聞いたことあるかもぉ~?」
「へぇ~…フォーカス部が学校新聞と雑誌を発行してるのは知ってたけど、君もスタッフなんだぁ?」
大吾君は、意外な人物を見ているような口振りで話した。
「……それからこちらのお姉さんがフェルディさん。
元聖剣士で、今は俺達の世話までしてくれているパーティーのお母さん的な女性かな?」
「よろしくね?さとみちゃん☆」
俺の紹介に合わせて、フェルディさんは里美ちゃんに笑顔で手を差し出した。
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