2章 “答”と“悩み”

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-放課後- 外では運動部が声を出して練習をしている。教室は静まり返り誰もいない。ただし、2年生の教室に二人の少年がいた。神田希望(カンダノゾム)と天智守護(アマチマモル)だ。 「そういえば守護。お前……」 希望は転校してきたばかりの幼なじみの顔を見つめた。昔から色白の肌をしているが、今は少しだけ茶色に近付いたようだ。 「日焼けした?」 希望は本当に聞きたいことを心にしまい込み、無理矢理別な質問をした。 「ちょっとね。昔より茶色に近付いたでしょ?」 「ああ…近付いた」 そう言いながら希望は襟足を人差し指で掻いた。 「“ソレ”……直ってないね」 守護は微笑みながら希望が襟足を掻いている姿を眺めた。 「は?何のこと?」 「そっか…気付いてないんだ。希望って隠し事あると襟足を人差し指で掻く癖あるんだよ」 「……………マジ?」 「マジ。………まあ何隠してるのかくらいわかるよ。僕の身体のことでしょ?」 守護は外で走ったり、ボールを投げたりしている運動部を眺めた。 「身体のほうはもう大丈夫。治ったよ」 「………本当か?」 「うん」 「………そっかぁ…よかったな」 希望と守護の目に涙が微かに浮かぶ。 「ありがと」
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