2章 “答”と“悩み”

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二人が誰もいない教室に残っているのには理由がある。それは二人が未来の部活動が終わるのを待っているためだ。その待っている間に二人はいろいろと話したいことがあったのだ。 「でも、妹が部活終わるまで待っているなんて、ふふ…妹想いだね。お兄ちゃん♪」 「簡単に言ってくれるよ。こっちはかなり深刻な悩みを抱えてるんだぞ?」 「深刻な悩み?どんな悩み?」 希望はため息をついて、守護のほうに身体を傾けた。 「ここだけの話……守護には彼女とか、好きな異性いるのか?」 希望の声はかなり絞られている。おそらく、誰にも聞かれたくないのだろう。そして、守護は一瞬驚いたような悲しんだような顔をした。 「いるよ。……“ここ”にね」 守護は胸に手を置いた。それを見た希望はその意味がわかった。 守護は心臓に重い病気を抱えていたのだ。希望は守護の病名を覚えていないが、ドナーがないと助からないというのは記憶の片隅に残っていた。 「ドナーか?」 「そ。さやかさんって人の心臓が僕の中にね。彼女……脳疾患だった」 何度目だろうか?守護の目に再び涙が込み上げる。
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