2章 “答”と“悩み”

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「悪い……辛いこと思い出させて」 「謝る必要無いよ。さやかさんはまだ僕の中で生きている訳だしね。……まあとりあえず、希望の質問の答はどちらかと言えばイエスだよ。でも、それがどうしたの?」 「……実は……」 希望は守護の耳元に近づき、聞き取れるのがやっとな声で呟いた。 「未来が俺のこと好きみたいなんだよ」 耳鳴りが聞こえるような沈黙が三秒続いた。その三秒間、守護は頭をフル回転させてその意味を考えた。 「それは……つまり、異性としてっていうこと?」 「話が早いな。そうなんだよ。だって俺達家族だぜ?兄と妹だぜ?無茶言うなよ」 「それは……確かなこと?」 「不確かなことで俺が悩むかよ」 確かに希望は悩みを抱えることをしない人だ。それが不確かなら尚更悩むことはしない。そんな彼が悩んでいるということはかなり深刻である。 「う~ん…なんとも言えないけど、未来ちゃんの気持ちわからなくもないよ」 「ハァ?」 「希望さ…未来ちゃん大切にしてるって言ったら変かもしれないけど、大切にしてるでしょ?昔から」 「ま、まあな」 「たぶんそういうところに惹かれたのかもしれないし、希望ってカッコイイから」
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