2章 “答”と“悩み”

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希望は一瞬訝しい表情を見せた。 「まあ…そりゃ俺だって未来のこと嫌いじゃない。でもな……ハァ~」 希望は深いため息をついた。 「家族だぜ?妹なんだぜ?」 「う~ん……たぶんそんなに難しく考える必要ないと思うよ」 「なんで?」 「僕がそうであるように、すぐ側に守ってくれる人がいる。優しくしてくれる人がいる。なにより世界で誰よりも好きな人がすぐ側にいる。想いが届かなくたってすぐ側にいるなら、それだけでいい。未来ちゃんはそう思ってると思うよ」 希望は頭の中で守護の言葉を繰り返した。 「そういうもんなのか?」 「そうだと思うよ」 守護はいつもみたいな柔らかい微笑みを見せた。 「………そうか。ありがとう。気が楽になった」 「どう致しまして」 希望は携帯電話を開き、時間を確かめた。まだ部活が終わるような時間ではないが、外はだいぶ日が暮れて暗くなっている。 「なあ…一つ頼みがあるんだ。聞いてくれるか?」 「僕に出来ることなら」 「……もし、もしも俺が死んだら未来を護ってやってくれ。頼む」 希望は深々と頭を下げた。彼の場合、病気とか自殺はしないだろう。おそらくギャオスの被害を受けてという意味で。 「僕でよかったら……頑張るよ」
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