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時計の秒針がやけに大きく聞こえる教室に二人はまだ残っていた。日が暮れ外は真っ暗だ。
「そろそろ未来の部活が終わる頃だ。校門に行くぞ」
「…その前に話したいことあるんだ」
守護はすぐ出発出来るように準備を整えながら言った。
「ねぇ…あの時、希望が最後に言った言葉…覚えてる?」
「あの時?…ああ…『どうしてこうなるんだよ?』だろ?」
「そう…その“答”…出たよ」
希望も帰りの準備をしていたが、その手が止まった。
「ずっと考えてた。『守護(マモ)る』って何だろう?ってね。たぶんね、守護るっていうのは…」
「待て」
話の途中で希望が言葉を遮った。
「待て。今はその“答”を聞く時じゃないと思う。だからもう少し待ってくれ」
「…うん、わかった。じゃあ今度、希望が聞きたい時に聞いて」
「ああ。…悪いな、こんな時間まで付き合わせて。今度なんか奢ってやる」
「ふふ…じゃあお言葉に甘えて」
二人は戸締まりと消灯して、未来と待ち合わせをしている校門に向かった。そこにはすでに未来の姿があった。
「二人共遅い!」
「お前が早いんだよ」
「いや。僕らが遅れたのには変わりないよ」
「そうそう♪罰として私を二人の間に入れさせて♪」
未来は無理矢理希望と守護の間に入り、両手に花状態で帰宅した。
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