3章 異変

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東京。 1999年にギャオスとガメラが飛来し、大きな被害を被った都市。 今では復興が終了し、以前より明るく、賑やかな町になっている。夜でも人は絶え間無く歩き続け、“静けさ”を知らない。 しかし、緊張感のない賑やかな街中にも厳格な雰囲気の場所はある。 東京某所には自衛隊の最新鋭の機材が並べられたガメラやギャオスを監視する機関がある。一日中ソナーの画面と睨み合いを続けているような場所だ。 「定時報告の時間だ」 この機関の司令官が言った。監視を続けている職員は立ち上がり、書類をまとめたファイルを持って立ち上がった。 「一班!異常無し!」 「二班!異常無し!」 「三班!異常無し!」 全部で14ある班が次々報告していく。 「七班!異常な…」 ビイィィィー!! 七班が定時報告しようとした瞬間警告ブザーが鳴り響いた。職員は俊敏な動きで椅子に座り、ソナーの画面を見つめた。 「Gy反応……ギャオス出現!数1!」 「何っ!?」 緊張感が頂点に達した。 「飛来予想地解析!」 「……解析終了!飛来予想地……渋谷です!」 「避難警告発令!」 「了解!」 息もつかせないような勢いで事態が動いていく。
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