1章 再会

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-数年後- 真っ黒な制服を着て、教室の中からぼんやりと外を眺めている少年が一人。どこか哀しそうな顔をしている彼の名前は神田希望(カンダノゾム)。立柳高等学校の2年生だ。 希望はいつも一人で、彼の周りには誰も寄せ付けないオーラを漂わせている。それは希望が親戚の家に引き取られて、この立柳町に来てからずっと変わらない。 おい、知ってる? 何を? 転校生来るってよ ウソッ!? どんな人だろ? クラスメートの話し声が否応なしに聞こえてくる。 〔たかが転校生ではしゃぐなんてな…〕 クラスメートは転校生の話で盛り上がっていたが、希望だけは無関心だった。 そして、朝のSHRが始める。その間、希望は先生の連絡も転校生の自己紹介も聞き流し、顔すら見ていない。 騒がしい教室。クラスメートの関心は転校生に向けられ、他のクラスや学年からもやじ馬が来ている。 〔うるさいな…〕 希望は去年買ったメロディプレイヤーの音量を上げて、また外を眺めた。だから、騒がしい教室の騒音がざわめきに変わったことに気付かない。 転校生はゆっくり希望に近づいていく。そして、彼の肩を叩く。 「ん?」 希望が振り向くと、頬に人差し指が刺さった。 「またひっかかったね。ノンちゃん♪」
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