プロローグ

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
全ての始まりは、あの夜の結果からだった。 多くの国民から絶大な支持を受けていた当時とは明らかに風向きが変わり、最後の花道が棘に変わろうとしている。何かきっかけが欲しい、誰も考えつかない、そう、当事者自身ですら考えもつかないなにがが… 外は冷たい雨が路面を濡らし、家路につく人々を冷やしていた。 クルマは、外苑東の出口を降り、しばらく進むと突き当たりを右に曲がり、人気の無い路地へと入って行った。 瀟洒ではあるが、何のへんてつもないマンションの前に停まると、助手席の男が先に降り、辺りを見渡しながら後部座席のドアを開けた。中から白髪混じりの男がひとり、静かに降り立った。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!