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その日の夢はいつもと違って記憶に残っていた。
いつもは目が覚めると忘れてしまう夢は、感覚から見た光景まで頭にこびりついたかのようだった。
「あ、林檎の木」
草原の真ん中に林檎の木が立っていた。
だがそれは林檎の木と呼ぶには相応しくないほど巨大な木だった。
でも林檎の木と分かったのは、林檎が実っていたからだ。しかし、林檎は実っているが9個しかない。
私は不審に思いながらも、大好きな林檎を目の前にして、ついつい手が伸びた。
真っ赤な林檎はみずみずしく、蜜もたっぷり入っていそうだ。
味を想像しながら林檎をかじってみたら
ガリッ
それは林檎の食感では無く、固く、どこか弾力のあるものだった。
慌てて口を離し林檎を見ると、林檎の中には
私 の 足 首 が 入 っ て い た
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