彼に宛てた手紙

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カチッと、セットしたビデオカメラが回りだす。 《コウにとっては、久しぶりになるかな?》 レンズを見つめながら、私は話しはじめた。 《こんなカタチでごめんね?手紙は書ける状態じゃなくてさ!!》 私の身体はもう車椅子じゃないと動くことはできないから。 《これだけは伝えたかったんだ》 そう。これだけは… 《私を愛してくれてありがとう》 《私は、コウが大好きです》 本当に… 《たまに自己中だけど、私に優しいところも》 《愛情表現がヘタだけど、私にだけに見せてくれる笑顔も》 《すぐ人を殴るけど、私には暴力を奮わないところも》 《全部、ぜんぶ大好きです!!》 私は力いっぱいに笑った。 《本当に私を愛してくれてありがとうございます!!》 ふと、彼の顔が頭に浮かんだ。
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