彼女に宛てた手紙

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カチッと、セットしたビデオカメラが回りだす。 《チカ、久しぶり》 レンズを見つめながら、俺は話しはじめた。 《お前、ビデオレターとか反則だろ》 しかも死んでから5年後って… 《ほんっとバカ》 お前は馬鹿だよ、チカ。 《俺もありがとう》 こんな俺を愛してくれて。 《俺も、チカが大好きだよ》 本当に… 《強気で、減らず口なところも》 《俺に向ける笑顔も》 《不器用なくせに料理作ろうとするところも》 《全部、ぜんぶ大好きだ》 チカが思ってる以上に。 《こっちこそ俺を愛してくれてありがとう》 ふと、彼女の顔が頭に浮かんだ。
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