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こいつら、またとぼけるつもりなのかよ。 俺の友達は、ましな奴がいないよな。と俺は今更気づいた。 「結局、カメラなんてのはなかったんだからな! 必死こいた俺が馬鹿だったよ」 俺はそう言って、ドアに手をかけた。 ガチャ! ……! 「え?」 この感じ……さっきと同じだ。 二組の教室から出ようとした、あの時と。 ドクンッ……ドクンッ 心臓が再び暴れだす。音の間隔も、だんだん短くなってきた。 俺は二人を見た。二人は俺を見て、愕然としていた。 「おいおい、隼人……嘘だろ? からかってるだけなんだろ?」 俺はドアの前で、棒のように立っていた。頭の中は真っ白だった。 「どけ!」 二人のどちらかが、俺を退かしてドアを開けようとした。 ガチャ! ガチャ! 結果は同じだった。 一体……どういうことなんだ? ピー……ピビガー ……! 突然、テレビが雑音を出しながらついた。 しかし、黒いまま変化がなく、何も映ってはいなかった。 俺らはお互いの顔を見合わせ、首を傾げた。
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