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そして……最後のドア。 開いてろ! 開いてろ!! 期待と不安を胸に、勢いよくドアを開けた。 ガチャ! 開いてなかった。 「……おいおい、嘘だろ」 俺はその場に座り込んだ。 「一体どういうことなんだよ。全然意味が分かんねぇ」 ずっと下を向いて愚痴をこぼしていたが、ふと顔を上げた。 あ…。 俺の視界の中には、逆側の窓。 「まだ窓が残っていたぜ」 ガチャ ガチャ ガチャ ガチャ…… しかし、期待とは裏腹に、窓は全て閉まっていた。 「くっそぉ。なんでどっこも開いてねぇんだよ」 再び、その場に座り込んだ。 何のために俺はここにいるんだ? これってもしかして拉致? そう考えると、いてもたってもいられなかった。 「こんな窓くらい、簡単に割ってやるぜ」 そう言って、ドアの横の窓を思いっきり蹴り上げた。 ガン! 「痛っ」 声と共に、すぐさま右足に手をやった。 固い。この窓、普通の窓じゃない。 指先が固い靴をもってしても、窓を割ることは出来なかった。
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