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拉致だな……。 どう考えても拉致だ。 「くそっ、一体誰の仕業なんだよ……」 そして、俺は拉致と決定づける物を見つけた。 実はさっきから、うすうす気になっていた。 そう、部屋の中央に位置している場所に、机が一つ置かれているのだ。 そして机の上には、一枚の紙が置いてある。 「ふんっ。挑戦状ってやつか? くだらねぇ。読んでやるぜ」 口ではこう言ったが、心臓はさっきからバクバク鳴っている。 俺は一文、一文、ゆっくりと読んでいった。 『やぁ、隼人。この状況に困っているのではないのかな? 脱出するための鍵は、この教室の中にある。掃除道具入れや、棚や、時計の裏……探す場所はたくさんあるはずだ。色々探してみろ。しかし四ヵ所だけ、絶対に調べてはならない所がある。もし、そこを見てしまった場合は、一生そこから脱出できないことになっている。気をつけて探せ』 全てを読み終えた。 脱出するための鍵だと? 確かに前のドアには、鍵穴がある。しかし、拉致犯は一体何が目的なんだ。
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