第一章『過去』

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島はとても小さくて地図には載っていないけど、俺にとってはとても大きく感じる。 周りは美しい海に囲まれていて、島には緑が溢れている。 こんな景色を見ていたら、フとあの約束を思い出した。 「翔、蜜柑、綾乃、大地、そして俺…勝【まさる】、全員そろったな」 あの時は勝が勝手にリーダーシップをとっていたっけ。 「うん。そろったよ」 綾乃は皆のおやびんみたいな存在だったな。 「どこに行くんだよ?」 大地は生意気だったな。 「俺のとっておきの場所だ」 確かここで、皆で顔を見合わせて笑いあったような気がする。 『楽しみだね』っていうのを表情で表していたはず。 「皆ついてこい」 勝がそう言うと俺等は勝の後ろをヨチヨチと歩いていったんだ。 あの時はドキドキしたな。なんせ、蜜柑が俺の手を握りしめてくるからな~。
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