プロローグ

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僕達がバス停に着いた頃には、もうだいぶ陽が傾き掛けていた。 僕達の他に誰も降りる人もいないのか、辺りはシーンと静まり返っていた。 聴こえてくるのは蜩の鳴く声だけだ。 僕は花野誠。 夏休みも残り僅かとなり、夏海の提案で友人達とここにやって来たのだが… “ぐぅぅぅぅぅぅぅ~…” 誠 「夏海…=3 お前バスの中であれだけ食っていたのにもう腹減ったのか!?」 夏海 「いやぁ~ねぇ~!! さっきのは、晩御飯前の軽ぅ~いお・や・つ・よ!!」 …弁当2人前に、スナック菓子5袋、板チョコ3枚に、まんじゅう5、6個、あとせんべいを10数枚に、ペットボトルのお茶2L3本は軽くないと思う…が身の危険を感じ言わないでおこう。 彼女は原田夏海。 言わずと知れた大食らいだ…。 今回こうしてここにこれたのも彼女のおかげだったりする。 杉国 「夏海の胃袋はブラックホール並みに入るんじゃねえの~(笑)」 この口の減らないヤツは悪友の杉国丈。 趣味は料理でかなりの腕前だが一言余計なのが玉に瑕だ。 夏海 「失礼ね!! 殴るわよ!!」 杉国 「いててて…殴ってから言うか!? 普通!!」 長沢 「それは言いすぎだぞ、杉国。それにしても、ブラックホールと胃袋をかけるとは、お前も考えたな」 (僕もそう思う) こいつは長沢明。 顔は怖そうだし、性格も堅くてクソ真面目でちょっとキツ目だが、案外面倒見のいい奴だ。 杉国 「だろ? だろ?」 夏海 「ちょっと~、あたしを何だと思ってるの~!?」 百合 「そうよ。そんな事言われたら夏海ちゃんが傷つくわよ!? 無神経よ? 二人共!!」 彼女は斉藤百合。 この暴走するメンバーの中では唯一のストッパー的存在だ。 長沢 「すまん!! 言い過ぎた!!」 杉国 「いや~、わり~わり~!!」 夏海 「わかればよろしいっ!!」 (まったくヤレヤレだ…) 雪子 「ねえ、夏海ちゃん。ここって怪奇スポットとかないの?」 彼女は鈴野雪子。 ユキコと書いてセツコと読む。 僕のいとこで、杉国の彼女。 ちなみにオカルト同好会なるものに入っている… 夏海 「さぁ? あたしは知らないな~、後で、叔父さんに聞いてみるね」 雪子 「ありがと~夏海ちゃん♪」
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