第一章「レッド・クリスマス」

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 俺は懐に仕込んであるナイフポケットから一本のナイフを取り出す。  刀身に僅かに反りがある片刃のタクティカル・ナイフ。  一番長く使用している業物であり、俺が最初に人を殺めたエモノであり、俺にとどめを刺した曰く付きの一本だ。  このナイフを見ていると、まるでついさっきの出来事のように、思い出せる。ナイフの刃に映像が投影されるかのように。
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