深海

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何故こうしてるのだろう 部屋の隅でうずくまる 私の見つめている先は ただ一片の光 あなたは静かに横になり、大きく目を見開いて、 私に顔を向けている 私が何をしたのだろう あなたの愛は 海のように 深く 深く 深く 深海の如く深く 私を闇に葬った 先が見えない暗闇の中、 私はなすすべを失った 私は何をしたのだろう あなたのその小さな手は もう私の腕を掴むことはできない 見開いたその目は 宙を見たまま、 もう私を見ることはない 呪縛から解き放たれると思っていたのか 消すことのできない この手の感触 遠くで小鳥の鳴き声が聞こえる 朝陽がカーテンに差す 私の先には 朝陽に反射する一片の刃物の光 光が私を誘ってる
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