あなたの笑顔

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はぁ、と智利は溜め息を吐く。 美緒が心配そうに背中を叩いた。 「どうしたの智利?最近溜め息多いけど」 あ、そういえばそうかも。 「今お兄ちゃん帰って来たんだよね…」 「え?あの有名人の?」 「そそ。もう毎日が宴会みたいにうっさくて。」 「大変だねぇ。美緒が慰めてあげよっか?」 「いらねぇよ」 「やっぱ即答かよ!!」 あ、でも、今ので少し体軽くなった…かも? その時、 「美緒。このプリント配っといてって言ったじゃん」 透明な声が聞こえた。 美緒と一緒に私は振り返る。 「あ、ごっめん真子。サッパリ忘れてたや」 「バーカ」 藤波さん、だった。 うわ、目の前にいるし。 「あ、智利。じゃあこれ一緒に手伝って?」 「…はぁ?」 真子から半分受け取った物を、半分智利に渡す美緒。 「こうすれば少しは楽になるしッ」 「おい、明らか私だけ多いじゃん。」 「ん、真子は特別ッ よっし配るぞー」 そう言って美緒はテンション上げあげで配りに向かった。 藤波さんは苦笑気味に私を見て、 「ゴメンね、よろしく」 そう言うと、同じように配りに行ってしまった。 ちょ、ま、  
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