あなたの笑顔

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「ありがとう智利!!ついでにアドも聞けたんだッ」 本当に嬉しそうな顔で、破ったノートの切り端にアドレスが書いてあるのを見せる。 うんと智利は頷いた。 「喜んでもらえたならよかった。」 「ホントありがとッ!!」 そう言ってから声を潜める。 「つぅか、智利かわいそうだったねぇ」 「え?」 首を傾げると、陽菜はニコッと笑んで、 そして、 「だって藤波と椎名の手伝いとか、マジかわいそうだし!!」 大声で言った。 もちろん2人にも聞こえてる。 「ね、智利。嫌だったよね?」 「え…え…?」 「係りの仕事、人にやらせるなんて最悪じゃん?」 「別にウチはそう思わなかったけど…」 もう一度陽菜は笑む。 その笑顔が本当に怖くて、智利は一歩後退る。 「ウザいもんね、あの2人」 目を見開く。 ウザい?まさか。話せて嬉しかったのに。 だけど…でも…… 「う…ん……」 凄く小さな声で、自分にしか聞こえないんじゃないかってぐらい小さい声で頷いた。 しかし、陽菜は黒く笑み、 「だっよねーッ!!ウザいもんね!!」 思わずチラッと2人を見たら、こっちを向いていた。 少し目を見開いていたが、しかし真子がフッと笑む。 急に怖くなって、すぐ陽菜に向き返した。 「智利、嫌なことはハッキリ言った方がいいよぉ?」 「……そうだ、ね…」  
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