あなたの笑顔

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陽菜が智利の腕を引っ張って、私と2人になった。 他の3人は後から来てる。 移動が長い。まるで迷路みたいに終わらなくて…。 「智利、あの2人好きなの?」 「え……」 「だって、私があの人達嫌いなの、知ってるよね?」 喋り方がかわいくなってる。 ――怒ってる証拠だ。 「…ごめん。ウチは嫌いじゃない。」 ハッキリ言おう。その方がいいよね。 「嫌いじゃない人を、嫌いになんてなれない…」 「じゃあ私が嫌いなの?」 鋭い、というか怖い突っ込み。 どうしよ…… 「嫌いじゃないよ!!むしろ好き。 だけど、私にだってやりたい事あ」 「智利がわかんないよ」 キッ、と睨むみたいに陽菜は私を見た。 ……悲しそうな目… 「私を独りにしないで?智利離れないで?」 左手を握られる。 「だって親友でしょ? だからずっと一緒だよ!!」 強い言葉に、コクンと頷いた。 「……うん」 「うん」 陽菜も笑って頷く。 今度は満面。 「ありがと!!」  
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