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はぁ、と智利は溜め息を吐く。
やべ、溜め息つき過ぎって前に美緒に言われたんだった。
………美緒達は、
あんな事したのに、今でも笑って話しかけてくれる。
謝ってもとぼけて許してくれる。
それが凄く嬉しかった。
「でねぇ、ウチ思わず『彼氏いるの?』って聞いちゃったの。そしたら『いねぇよ!!』って返ってきたしッ」
「そら加古に彼氏はいないっしょ」
「だよねー。謝って彼女いるのって聞き直した!!」
ただ今、陽菜の話を皆で聞いてます。
ぶっちゃけ嫌だけど、陽菜が面白く話してくれるから、楽しいとは思う。
「そしたら何だって?」
しかし、陽菜の顔が沈んだ。
「…いるっぽいの。残念ながら。」
「嘘ッ!?」
「嘘じゃないよぉ。メールで『彼女っぽいのはいる』って来たんだもん」
うわ、今にも泣きそう。
「ウチ失恋したし…」
グタァと椅子に寄り掛かってから、反動みたいな感じで前にうなだれた。
「……やだ…」
「陽菜、泣くなよ!!」
「そうそうウチらが慰めてあげるから!!」
「パーっとやろ?」
理江と有里が陽菜を囲む。
私と音々は薄く笑って顔を見合わせた。
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