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………なんで……?
「え、ちょ、嘘…」
「嘘じゃねぇ。マジで。
サッカー部の先パイ達から」
「なんで」
加古が困ったように笑った。
「スゲェ上手かったから。先パイ達の方が圧倒的に負けてて、あいつをサッカーやらせなくしようとしたっぽい」
「…そ、んな……」
言葉が出ない。
集団リンチって事じゃん…。
しかも、サッカー出来なくって、裕介は幼稚園の時からずっとやり続けてたんだよ。
それを……
「…裕介、1番に言った言葉は『足は?』だったんだって。
自分勝手だよな、先パイ。」
3年生……。
酷いよ、裕介の足を、そんな…。
「大丈夫、全治2ヵ月。
あいつならすぐに差なんか埋めれるよ」
「そうだよね?絶対平気だよね?」
「ああ。
…あ、この事誰にも言うなよ?絶対だぜ?」
「え、あ、うん勿論」
そう言うと、加古はニッと笑んだ。
「裕介にサッカー取り上げたらなんも無くなるぐらいなんだから、絶対ぇ平気。
じゃあなっ!!!」
「だよね!!うんバイバイ!!」
加古に手を振って、しかし溜め息を吐く。
……裕介…。
あんなに頑張ってたのに、それなのに、リンチなんて酷いよ…。
っていうか、先生もなんで『交通事故』なんて嘘つくの?
まさか受け流したりもしないよね?
……あぁもう、ダメ…。
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