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「ねぇ知ってる?」
「んー?」
陽菜が栗を持ってニッコリ笑った。
「加古くんと付き合ってるのね、音々なんだよ?」
――え………
「マジで!? うそっ!!?」
「ホントほんと。日曜日にね、他校の友達と遊んでたら見ちゃったぁ~」
ヤバい、動転してる、落ち着け。
「え、他校の子と遊んでたの…?」
「うん、ウチこれでも顔広いもん。
って智利、観点違うって!!」
「や、だって、陽菜大人しいイメージ抜群だもん」
「何それぇ。私だって他校に友達ぐらいいるよぉ」
「そうだね…」
落ち着いて私。
落ち着いて……
「でねでね、手ぇ繋いでたんだよ!!超ラブラブって感じじゃない?」
「だね。うわ私音々にそんな想像つかないんだけど」
「だよねぇ。私もビックリ」
………音々、どうか、職員室から帰ってこないでください。
今、音々と理江で職員室に手紙を渡しに行ってる。
帰ってきちゃ、ダメだよ…。
「ハッキリ言ってくれればいいのにねぇ。黙ってるとかマジ最悪」
「陽菜は言ったら許してたん?」
「許すも何も、付き合ってる人の中に割り込む気なんてサラサラないよ。
だけど、私が応援してって言った時、言ってくれればいいじゃん?
そうすればこんな思いしなくて済んだし」
「あーまぁそうだよね」
音々、裏目にでちゃってますよ…。
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