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ふぅ、と息を吐いてからイスに座る。
と同時に後ろから笑い声が聞こえた。智利はバックから教科書を出しながらそっちを見る。
「何?」
「いっやぁ? 今日も大変でしたか永田殿」
「…喋り方キモいよ?」
「わざとだっつの!!」
そう言うと大きく笑んだ。
この子は椎名美緒。
大きな目で笑顔を存分に表し、形のいい唇も大きく上にあげる。
いわゆるニィッみたいな?
「なんで美緒はそうなの?」
「へぇ?そうなのって?」
「いや…いつも元気だなと」
笑顔で元気で、人との壁がない美緒はクラスでも人気者だ。
美緒が怒った顔をしてると、クラス全体が静まり返るぐらい。
「聞きたいかなぁ?」
「…うん、一応」
「じゃあ教えてあげるッ!!
それは私が野菜ジュースを飲んでるからだよんッ」
「…聞いて損した」
「えー!!見習えよ!!」
この子のテンションは、私にはついて行けないです……。
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