ミーハーな女

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あ、と陽菜が声を漏らした。 「ねぇ、皆にお願いがあるんだ」 両手を合わせ、こっちを見る。 つっても座ってる私とは目が合わない。 でもよかった。話、逸れた……。 「私、好きな人、出来た」 「はぁぁ!!?」 「好きな人ッ!?」 「うん。手伝って、お願い」 なんで君片言? ってそんな事より。 「だって陽菜、前に別れたばっかじゃ…」 「え?あ、うん。だって嫌だったんだもん」 嫌だったって……。 お前、男子をどう思ってる…? 「陽菜、誰が好きなの?」 理江が首を傾げながら尋ねた。 「えっと…皆、絶対に言わないでね?」 「言わないよ。ウチら友達じゃん」 「秘密にするよ」 「…ありがとう」 ほんわか笑んでから、声を潜めた。 「あのね、私、加古くん好きかも。」 ………過去? あ、や、はい。加古ですね。 加古は、クラスでも人気で、運動神経抜群の爽やか系。 顔もまあまあだから、まぁ分かるよ。 「皆、手伝ってくれるかな?」 陽菜がかわいい声で、てかかわい子振った声で言う。 もちろん、有里も理江も笑って、 「あったり前!!頑張ってね陽菜!!」 「ウチら応援してるぞッ」 「わぁ、ありがとー!!」 そう言ってから私たちを見て、 「音々も智利も手伝ってくれる?」 「あ、ああ。うん。頑張って」 少し適当に私は言った。 「陽菜ちゃんなら、きっと大丈夫。頑張ってね」 やんわりと音々も言った。  
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